太極拳
ワンポイントレッスン

 
No.6《歩形1》弓歩
           

《歩型》(1)
 
弓歩
歩型は文字通り太極拳動作の基礎である。
太極拳は動きの中で止まらないことが基本だが、歩型が定まらなければ全体のバランスも定まらない。
型の順番を覚えたら次は歩型を理解しよう。そうすればより健康的な型にはやく近づくことができる。弓歩は攻撃動作の歩型だ。

【弓歩の基本的要件】
・前足の膝が曲がる。
・前の膝はつま先の直上まで前進する。
・足の左右幅は拗歩では肩幅、
 順歩ではそれよりやや狭く。
・前後幅は3足から3足半。
・両足とも膝はつま先と同じ方向に向く。

足の幅、左右・前後は適時加減すれば良い。
後ろ足の伸び具合、つま先方向は、足幅、姿勢の高低などで変化する。

足の前後幅が広く、姿勢が低ければ、後ろ足の膝は伸びる。
逆に、姿勢が高いか、足の前後幅が狭ければ、後ろ足の膝は曲がりぎみにするほうが自然。
手法・身法とのバランス、歩の進め方など、その時の条件をふまえて変化させることも重要だ。

 

 

後ろ足位置の違いによる例。
姿勢の高さが同じだとすれば、当然だが歩幅が小さいほど後ろ足の膝が曲がる。

3種とも前足の型は同じだ。
ただし、後ろ足もつま先と膝は同じ方向に向けなければならない。
そのためBとCでは股関節の開きに違いがある。
よってその上に乗る骨盤の角度に差が生じる。Bの姿勢は骨盤が横に向きやすいはずだ。(青色で図示

またこの姿勢は後ろ膝が内に入りやすい。
虚歩に移ったときに膝を痛めないための要注意項目だ。

BとCでは、全体の横幅は同じだが踵と踵の横幅はかなり違う。
この踵幅の違いを良く認識することも重要だ。(緑色で図示
自分の姿勢をチェックして、つま先と膝の方向、伸び具合、骨盤の向きなど、バランスを確認しよう。

     
前後幅の広い弓歩

 
前後幅が狭く後ろつま先が前向きぎみの弓歩  
前後幅が狭く後ろつま先が開きぎみの弓歩
         
伝統楊式太極拳:李玉琳老師
弓歩のひざはつま先の上。
24式太極拳の元はこの伝統楊式太極拳。

前足の膝がつま先の直上まで前進することは、楊式太極拳の特徴である。
この特徴は、武術的意味より健康法的意味合いが強い。

後ろの足から前の足に重心をかけていくときには、前の足の膝伸筋、中でも大腿直筋が主となって体重を支えていく。
このとき大腿直筋は引き伸ばされながら力を出す、運動生理学的にいえば「エクセントリック収縮」(遠心性収縮)の状態である。
「膝伸筋のエクセントリック収縮」は太極拳を他のスポーツと差別する最大の要因である。この運動によって得られる筋力とコントロール能力は老化防止と転倒抑止能力向上の切り札といえるものだ。
大腿筋は股関節の屈筋としての作用も有し、同じく股関節屈筋の腸腰筋と連係しながら動く。これらの筋は姿勢のコントロールを考えるうえでかなり重要だ。
 
太極拳は、動きの緩慢さからくる印象から筋肉を鍛えるイメージは少ないが、実際にはことさら筋力トレーニングを意識することなく、これらの筋をたいへん効率良く鍛えることができる。
後ろ足の伸び具合は足幅や姿勢の高低で変化すると述べたが、筋の作用や骨格への刺激、ミルキングアクションなどを総合して考えると、膝が伸びきる手前まで自然に引き伸ばされる歩型(歩幅や姿勢の高さ)が健康的だ。

     
伝統武式太極拳:薛乃印老師
弓歩のひざは垂直に立つ。
より直線的・直接的で“遊び”が少ない。
 
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