山西紀行 1

 

 中国山西省は楊家ゆかりの土地である。
 現在も楊家にまつわる史跡が数多く残されている。
 今回から、折に触れて楊家ゆかりの土地を紹介していきたい。

「楊家祠廟」
 山西省代県の北東、鹿蹄澗村にある、楊家代々を祀る祠廟。

【楊家祠廟】

 代県は、楊家初代楊業が将軍として駐屯した地である。五台山の北、汾河の支流が
流れる平原の中央部に位置する。まわりは広大な黄土の大地である。
 北の彼方に望むのは雁門の山並み。この山並みが古代の国境、北方民族契丹との国
境紛争最前線であった。

【国道に面して建てられた前門】


 写真左手奥の方角にあたる山中に雁門関を望む。
 雁門関は、楊業が大軍で押し寄せた契丹の軍勢を少数の手勢で撃ち破り、「楊無敵」
と呼ばれるようになった戦いの古戦場。

 前門から祠廟まで数キロにわたって立派な舗装路が続く。われわれが訪れたときは
収穫シーズン真っ只中で、写真で門の奥に見える路上には周囲の畑で採り入れが終わっ
た落花生が天日干しされていた。分けてもらった生の落花生を頬ばってみると、少し
青臭く瑞々しい味。

 楊家祠廟は鹿蹄澗村の入り口にほど近い高台にある。石段の上、外院、前院、后院
からなる建物。后院には楊業と婦人を中心に楊家歴代26体の塑像が並ぶ。

【楊業と婦人の塑像】


【前院から見た后院。中央は村名の由来となった奇石「鹿蹄石」】

 鹿蹄澗は静かな村である。訪れたときは五台山の観光シーズンから外れており、わ
れわれ以外に観光客の姿はなかった。バス停前に売店がひとつ。閉まっているのを頼
み込んで開けてもらい、ノベルティを仕入れる。売り子のおばさんは優しいしのんび
りしているが、並ぶおみやげは埃っぽい。

【鹿蹄澗村内風景】


 山西は人が生活するにはあまりにも厳しい土地である。平地は痩せて木が少なく、
山は険しい厳寒の地。
 しかし、北京など大都市ではほとんど見られなくなった抜けるような青空と白い雲、
そして特有の黄色い大地が作り出すコントラストはこころに滲みるほど美しい。

以上。

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